冬言響 / 日記

アメコミとか映画とか音楽とか猫とか単車とか自転車とか革とか銀とかジーンズとかブーツとか今日喰ったものとか。

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『スーパーマン:レッド・サン』

通称「赤さん」。かどうかは知らない。

正史世界では米国に落下した異星人の赤ん坊がカンザスのケント夫妻に育てられてスーパーマンとなったのだけど、それが 12 時間ほど早(あるいは遅)かった結果ソビエト連邦に落下してたら、というエルスワールドもの。スターリンの同志スーパーマンが共産世界のために終わりなき闘いを繰り広げるよ! まあイロモノだろうと思ってたのだけど意外と面白かった。後半の怒涛の展開とか、結末とか。

スーパーマン以外の周囲の人物やヒーローも正史世界とは違う形で登場。初期状態はだいたい同じでその後の流れがズレてったひと(ワンダーウーマン、ロイス、レックス)とか最初からロシア人なひと(バットマン、ラナ)とか、いろいろ。あれって劇中に登場したバットマンやラナとは別に米国にもブルース・ウェインやラナ・ラングがいるんじゃないかしら。オリバー・クイーンとバリー・アレンもちょっと登場するけどヒーローにはならない。ハル・ジョーダン他グリーンランタン組は正史世界とは違う流れでグリーンランタンになる。セクター 2814 のグリーンランタンが半世紀以上も不在だったうえにリング大量に複製されて本来のものとは違う目的のためにパワー使われてるんだがガーディアンズオブユニバースは対処しようとしたりせんかったのだろうか。ずっとファントムゾーンに居たのかな。

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これと一緒に『バットマン:笑う男』も邦訳発売されたんだけどちょっと保留。のつもりだったんだがアラン・スコットが登場する話が収録されてるそうなのでちょっと気になってる。

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『アベンジャーズ』ノベライズ

出てたんで買って読んでみたんだけど、なんだろうねこれ、突っ走りすぎというか、ダイジェストというか、映画観たひとが流し読みする用文章というか、とりあえず俺はこれを「小説」とは呼びたくないニャア。ノベライズって映画の内容をそのまま文章に起こすだけじゃなくて小説としても盛り上げるべきところは盛り上げるとか最低限の完成度は求められるものだと思うんだけど。うーむ。

『アベンジャーズ』だけでなくそれ以前の『アイアンマン』?『キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャー』の内容も時系列に沿って小説化、というか文章化。といっても『アイアンマン2』はアベンジャーズ計画に直接関連するナタリー/ブラックウィドーやニック・フューリーの登場シーンのみで、イワン・ヴァンコ/ウィップラッシュとかジャスティン・ハマーとかジェームズ・ローズ/ウォーマシンはまるまるカット。『インクレディブル・ハルク』の内容もほか 3 作のぶんと比べると薄い気がする。ここまでで本の半分。

あと半分が『アベンジャーズ』の内容で、ノベライズ特有の映画では語られなかった細かい設定やなんかも無くはないのだけどあんま無い。とりあえずペギーは存命らしい。あと落下したハルクに服とか単車とか貸してくれたあの老人に関して

そのバイクはトラビスと名乗るあの老警備員が貸してくれたものだった。テキサスのパリに地所を持っているとか言っていたが真偽のほどは定かではない。

とのことでマーベルネタなのかとちょっと気になって調べてみたんだが役者ネタか。劇中であの警備員を演じていたハリー・ディーン・スタントンが『パリ、テキサス』で演じたのが主人公トラヴィス・ヘンダースンだった、と。観てないから良く知らんが必要なのかそのネタは。まあノベライズならではのお遊びと流しときゃ良いかも知らんが。

あとはとにかく説明が少ない。登場人物の容姿とか、10 年ぐらい前のライトノベル(最近のは読んでないから知らん)並に 5?6 行使って事細かに描写しろとは言わんが、その人物が若いのか老人なのか痩せてるのか屈強なのかとかそれぐらいは書きなさいよ。一応主要キャラクターのはずなのに名前だけで台詞も無いから映画観てないひとには性別すら不明のキャラクターも何人か居るんじゃないか。あとクライマックスのバトルシーンで一区切りついたところでハルクがソーをぶん殴った意図をちゃんと説明して貰えるかと思ったらそのシーン自体をカットしやがった。何のためのノベライズだ。その割にはシャワルマに関する説明に 6 行ほど使ってるのがまた謎。

過去作品の内容を時系列順に再編集ってのはまあアリだし映像版でも観てみたい気になったが、その 1 点を除けば全体的に残念な出来だなあ、と。ちゃんと「小説」が書けるひとに書きなおしてもらいたい。

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追記。コメントをくれたひとが居て、結局そのコメントは投稿はされなかったのだけど(経緯)、

ハルクがソーを殴り飛ばしたのは普通に考えてその前にシップで戦闘したからでしょ

とのこと。俺としてはなんかこう「やるじゃねぇか」みたいなもっと好意的な意図によるものと解釈してるんだけど、何にしろノベライズなんだからちゃんと文章で「正解」を説明してくれると良かったな、と。

こんな夢観ました

飛行機の墜落を目撃。なんかふらふら飛んでるなー、と思ってたらちょっと離れた辺りに墜落。とりあえずその場へ急ぎながら Twitter に投稿しようとしてた。どんだけ。

割と空飛んでるものが落っこちる夢を良く観る気がする。隕石とか。だいたい自分の頭上に、とか遥か彼方に、ってわけじゃなくて車か何かあればすぐ見に行けそうなぐらいの距離に落ちる。

こんな夢観ました

映画だかなんだかを観る。ただ普通に劇場に行ってスクリーンに映るのを観るのではなく、劇場には行くのだけどスクリーンには映されずに観客が各自自分で持ち寄ったラップトップやスマートフォンの画面で観る。その劇場内でのみ受信出来る仕様で配信されているそうな。なんか新しい映画上映の形態の実験的なアレらしいんだがメリットは全く不明。

駿河城午前自愛

一発変換。というわけで『シグルイ』の原作として俺の中で有名な南條範夫『駿河城御前試合』読み。駿河大納言忠長の意向で執り行われた 11 本の真剣勝負それぞれに 1 章ずつ、あと最後のまとめ的なのを 1 章の計 12 章構成。それぞれの章は各々の剣士が真剣勝負に至る過程を丹念に描いて、試合そのものは 2 頁ぐらいで終了。各キャラクターは基本繋がりは無いのだけど 12 章で僅かに生き残った数名が集まって剣術談義とかしてるあたりはなんか『アイアンマン』とか『マイティ・ソー』とか個別に観たあとで『アベンジャーズ』観てるような気分になった。まあ最後には全員死ぬんだけど。

『シグルイ』はこのうちの 1 試合目の藤木源之助 vs 伊良子清玄の「無明逆流れ」を中心に据えて話を膨らませてあるわけなのだけど、他の試合からも「がま剣法」のクッキーこと屈木頑之助とか「峰打ち不殺」のツッキーこと月岡雪之介とかが登場してる。渾名は今付けた。連載がもっと続いたら他の剣士も登場したのかな。美男美女に斬られると興奮する異常な性癖を持つ「被虐の受太刀」の座波間左衛門とか『シグルイ』向きなキャラクターだったと思うけど。個人的には第 9 試合の「身替り試合」がなかなかカオスで面白かった。

『シグルイ』と比べると虎眼先生が性格破綻者じゃないとか、忠長もたまに奇行が目立つけどそこまでひどい印象は無かった。あと試合組むための剣士集めるのにけっこう苦労してたような描写があったように思えるのだけど原作だと割とホイホイ試合決まってる感じ。「ちょっといろいろあって真剣勝負したいです!」「じゃあちょうど近いうちに真剣で御前試合やるからエントリーしとくわ」みたいな。敏腕プロモーター三枝伊豆守。

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『シグルイ』から知ったし『シグルイ』しか知らんかったのだけどけっこう何度か漫画化/劇画化されてるらしい。いずれ機会があったら何かしら読んでみよう。

パット・マーフィー『ノービットの冒険 ゆきて帰りし物語』

今度映画にもなるトールキンの『ホビットの冒険』のキャラクターやストーリーを SF 設定に置き換えてみましたー、なスペオペ。プロットも大雑把に見れば同じ、ってことで良いのかな? 『ホビット?』読んでないから良く知らんけど。まあこれがあれでこいつがあいつなんだなぐらいのことは判る。ただ置き換えただけじゃなくてちゃんとガジェットとかストーリー展開とかスペオペとして成立してる、と思う。恒星間空間の移動は説明もなしに光速超えちゃうわけじゃなく冷凍睡眠に入った乗員を乗せて通常空間を何十年もかけて移動する、ウラシマ効果で宇宙を行き来してる者とそうでないものには時間のズレも発生する、超長距離の移動にはワームホールもあるけどそうそう都合良くいつでもどこでも使えるものじゃない、と、そこら辺ちゃんとしてる。面白いよ。

Amazon.jp で今絶版になっちゃってるけど『ホビット』映画化のどさくさで再販しちゃえば良いのに。

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ロバート・A・ハインライン『銀河市民』

太陽系から遠く離れた惑星で奴隷として買われた少年がいろいろと運命に翻弄されつつ交易商人の一族の船の船員になったり軍艦の乗務員になったりしつつ身元が判明して生まれ故郷である地球へ向かって?みたいなショウネンノボウケントセイチョウヲエガクジュブナイル。恒星間の移動については特に説明もなく当たり前のように超光速航法が存在して、また相対論的なアレも特に無し、なのでスペオペとして個人的にはちょっとアレ。

主人公が概ね受け身で何も考えてねーなー、とか、最後なんか中途半端なところで終わってるなー、とか。んで他のひとのレビューとかいくつか見てみたら「若いときは中途半端なところで終わってると思ったけど最近読み返したら良さが判りました」みたいなのがいくつかあったのでそのうちまた読み返そうと思います。

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ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』

最近連続で読書記録書いてるけど別にそれぞれの日に 1 日で読んだというわけでなくてここ数カ月の間にちょろちょろと読んできたものです。この本は 3 ヶ月ぐらい前に読んだと思うので内容忘れてきてるのだけど、内容としては月面やらガニメデやらで発見された異星人の異物を様々な分野のスペシャリストたちが集まっていろいろ調査して少しずつそれら異星人の詳細が判っていくと同時に人類の起源にまで行き着いちゃうっていうミステリ仕立てのハード SF、とのこと。もっと違うことが主題の物語であれば概要だけで 2、3 頁とかで済まされちゃうかも知れない内用を丹念に本 1 冊使って描いてるみたいな。逆に、例えば最近読んだものだと『スーパーマン:レッド・サン』で墜落したグリーンランタンの宇宙船とかの調査をさらっと流してるけど実際にはこれぐらいの規模でいろいろやってたんだろうなあ、と。

続編もあるそうなのだけど洋 SF ってなんか色々頑張って調査した結果「実はこうだったんだよ!」言って判明した謎を続編で「と思わせて本当はこうだったのさ!」とかあっさり覆すことが多い気がするので(俺がたまたまそういうのに当たっただけかも知らんが)ちょっと不安なのだよなー。ううむ。

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アレステア・レナルズ『カズムシティ』

『啓示空間』の続編。前に『量子真空』読んだときそれが『啓示空間』の続編だとか書いたけどちゃんと確認したら『カズムシティ』が先でそのあと『量子真空』という順番。でも物語的には『啓示空間』→『量子真空』で概ね直接繋がってて『カズムシティ』は同じ宇宙が舞台なだけの外伝的なポジションなのでやっぱり『量子真空』が続編で良いかも知れない。時系列も一番古い。

物語は序盤が他 2 冊の主人公のひとりであるアナ・クーリの故郷として名前だけ(シミュレーション上の仮想空間としても少し)出てた、なんか年がら年中戦争ばっかやってるらしいスカイズエッジ星で始まって、そのあとイエローストーン星に移動してタイトルにもなってるカズムシティが主な舞台となる。それと平行して古い時代の移民船の様子が描かれ、スカイズエッジ星の歴史だとか何で戦争やってるのかが明らかにされる、と。黎明期戦争とかインヒビターに関する描写も少しはあるけどほんのさわりだし「何かあったのね」ぐらいの理解で良いので『啓示空間』とか読んでなくても問題は無さげ。星間空間をあっち行ったりこっち行ったりというわけではなく都市を舞台にしたハードボイルド SF アクション+アイデンティティ・クライシスを扱ったちょっとしたトリックという具合で、これはこれで面白いんだけど他 2 冊みたいなのを期待してるとちょっと違う。図書館で読んだのだけどあえて手元に置く必要も無いかな。

同じ世界観を舞台にした「啓示空間シリーズ」と呼ばれる作品は邦訳だと他に 2 冊ほど短編集があるそうなのでそれらもいずれ読みたい。

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ハリイ・ハリスン『銀河遊撃隊』

E. E. スミスの「スカイラーク」シリーズを主として他「レンズマン」シリーズとかラリィ・ニーヴンの『リングワールド』なんかをパロったスペオペコメディ。「スカイラーク」は知らんけど「レンズマン」は大好きなので読んでみた。

偶然から開発したワープ航法措置の実験をしようとしたらいろいろあって宇宙に飛び出しちゃってどうにか地球に戻ろうとしたら逆にずんずん遠くまで行っちゃって気づいたら数千の種属からなる銀河遊撃隊を結成して銀河の存亡を掛けた戦いに発展していく、とそんな物語。レンズマンと同じく、というかまあ多分当時のスペオペはだいたいそんな感じだと思うのだが、物語は非常にテンポよくばしばし進む。出てくる異星種属が片っ端から英語喋るんだけど最初のうちは「地球のラジオ放送を受信しててそれ聞いて勉強してた」とか「ラジオ放送を受信してた」とか「ラジオ(ry」とか一応説明されてたのがなんか後半は特に説明も無しに英語喋ってた。まあラジオだろ。その他いろいろ、つっこみが追いつかない。結末も「えー。いや、丸く収まってはいるけど。えー」みたいな。

「スカイラーク」も読んでみたいなあ。

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『天地明察』観り(劇場)

スタンプカードが溜まってたので。

劇場で時代劇観るの初めてかしら(『るろうに剣心』は別。アレは「コミック実写化映画」のカテゴリ)。観客の年齢層がいつもよりずっと高い感じだった。笑うシーンで割と笑うひとがけっこういたのは個人的には好印象。関係ないことくっちゃべってる奴はなるべく苦しんで死んで復活してもう一度死ねば良いと思うけど、笑うシーンで適度に笑うのは良いよね。あとポップコーン喰う音ってぶっちゃけ耳障りだよね。今更どうこうとは言わんが。閑話休題。

予告編でうっすらと興味持ってたぐらいで原作も読んでないのだけど、面白かったですよ。前半は特に嫌な奴も出てこず挫折もなく、順調にずんずん盛り上がっていく。そのあとちょっとトラブってから、また盛り返していってハッピーエンドへ。めでたしめでたし。「闇斎先生、改暦がしたいです」を思いついたのは俺だけじゃないと思ってるのだけどとりあえず検索しても出なかったのでひょっとして一番乗りかしら。

以下、疑問点。

そのうち原作も読む。けっこう改変が多いらしいが。

[Amazon]天地明察 [単行本]

↑単行本。

[Amazon]天地明察(上) (角川文庫) [文庫] [Amazon]天地明察(下) (角川文庫) [文庫]

↑文庫

冲方丁『マルドゥック・フラグメンツ』

昨日の『天地明察』とは全く関係無いのだけど読み。まあこれも読んだのは 1 ヶ月ぐらい前だが。

『マルドゥック・スクランブル』『マルドゥック・ヴェロシティ』から新シリーズ『マルドゥック・アノニマス』へ続く短篇集。『ヴェロシティ』時代のボイルドとウフコックの話とか、『スクランブル』のラストの回想的なのとか、『アノニマス』のキャラクターたちの顔見せの話とか。最初の『ヴェロシティ』話ふたつが面白かったかな。シリーズ読んでなくてもまあ「そういうもの」として楽しめるんじゃなかろか。つか肝心の『アノニマス』はまだ出てない様子だけど随分と遅れてるのかな。

あまし関係ないけど『スクランブル』のコミック版もちょっと前に読んだ。いくらか変更点もあるけど概ね原作通りの流れ。え、そこ少年誌で絵に描いて良いの? ってトコも。良いの? 小説読んだときの俺のボイルドの脳内ビジュアルイメージがまんま『攻殻機動隊』のバトーだったのだけどそれと比べるとちょっと細身だったかな、もっとがっしりした体格のが良かったな、重力使いだし、とか。

『スクランブル』は小説の改稿版とやらも出てるのでそれ読んでみようかしら。

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『バイオハザードV:リトリビューション』観り(劇場/吹替/3D)

友人たちと。以前に同じ面子で『IV』も観た。

前作の直後から。前作で一緒に行動してたキャラクターたちはどうなったのとか赤いドレスのひとはもうすこし服装を考えようとは思わなかったのかとか日本のパトカーのダッシュボードにデザートイーグル(だったよね?)は入ってないだろうとか SONY タブレット持ってるけどそんなにきびきび動かないよとかそれ引っ張れば取れるんだとかもう○o○○ーだけで良いんじゃないかなというか○o○○ーのクローンを造れ 100 体ぐらいとかいろいろ。ケチ付けてるように見えるかも知らんけど原作ゲームにもシリーズにもゾンビものにもそれほど思い入れとかは無いなりにアクションとかカッコよくて楽しめましたよ? 思い入れ無いのに何で観たかというと友人に誘われたからでこれはこれで縁というやつなので次も誘ってください(私信)。

次で最後らしいのだけどどう決着付けるんだろう。もう全員死亡でバッドエンドか宇宙に逃げるぐらいしか俺は思いつかんのだけど。

アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』

人類が宇宙に第一歩を踏み出そうとしていたちょうどそのタイミングで現れた異星種族オーヴァーロードによって人類は平和的な支配を受け、あっさりと実現したユートピアで黄金期を迎え、やがて訪れた「幼年期」の終わりを経て次の存在への偏移もしくは種族としての滅びを迎える、とそんな三部構成。クラークの代表作として認知されてるけど欧米ではあんま評判はよろしくなかったとかなんとか。

これに先だって第一章「地球とオーヴァーロードたち」の元になった短編「守護天使」(短篇集『太陽系最後の日』収録)を読んでたのだけど、まあ個人的には第一章だけでもしくは「守護天使」だけで良かったかなあ、と。こーゆーこと言うとコアなクラークファンに鼻で笑われるかも知らんが。最終的な結末に関してオーヴァーロードたちは「うらやましい」とか言ってたけどあれが幸せなんかどうかは知らんし選択肢が無いのが嫌。俺はオーヴァーロードと一緒に宇宙飛び回ったほうが楽しいかな。もしくは人類として黄金期を生きて幼年期の終りを迎える前に死ぬ。うむ。

この「人からその先へ」の変貌はクラークがよく扱うテーマだそうなので他も読んでみよう。まず『2001 年』を持ってるけどちゃんと読んでないのでそこから(そこからかよ)。

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ロバート・J・ソウヤー「ネアンデルタール・パララックス」シリーズ

ネアンデルタール人が進化し文明を発展させた並行宇宙の地球と我々の地球がひょんなことから繋がってしまい、少しずつ両者の交流が始まって、という物語。『ホミニッド -原人-』『ヒューマン -人類-』『ハイブリッド -新種?』の全 3 冊。量子論からの他世界解釈、「こっち側」とは全く異質な「あっち側」のネアンデルタール社会、別々の世界に生まれたふたりの主人公のラブストーリー、と 3 つの柱を軸に陰謀とかアクションとか SF ガジェットとかが展開するよ。

巻末の解説なんかでも繰り返し言及されてるのだけど、作者がカナダ人で物語の(「こっち側」の)舞台もカナダが主でそこにアメリカが絡んでくる形で、ネアンデルタール世界とホモ・サピエンス世界の対比が実はそのままカナダとアメリカの隠喩でもあったりとか、キリスト教の倫理観やら何やらに関する通りいっぺんの教科書だけではいまいち理解しにくいなんやかんやだとか、まあいろいろ。

クライマックスで意外な人物がかなり重要な役割を果たして、その割には報われないなーって結末だったのだけど、まあ妥当っちゃあ妥当なのか。あそこでもう少し冷静に話が出来てれば少しだけ良い方向に変わったよな、っつってもまあしょうがないか、的な。

図書館読みだったのだけど買って手元に置いといても良いかしら。どうしよう。

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こんな夢観ました

原子を構成する粒子をどんどん拡大していくと丁度恒星を周る惑星のような世界になっていて生き物も住んでいてそこで彼らに

「実は君たちの世界は我々の世界を構成する基本要素でしかないんだ」

って伝えたら

「それは知っているし我々の世界を構成する要素ひとつひとつもまたそれぞれ独立した世界になっているし逆に君たちの世界もより大きな世界の一部でしかないんだよ」

って言われた。