冬言響 / 日記

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アレステア・レナルズ『カズムシティ』

『啓示空間』の続編。前に『量子真空』読んだときそれが『啓示空間』の続編だとか書いたけどちゃんと確認したら『カズムシティ』が先でそのあと『量子真空』という順番。でも物語的には『啓示空間』→『量子真空』で概ね直接繋がってて『カズムシティ』は同じ宇宙が舞台なだけの外伝的なポジションなのでやっぱり『量子真空』が続編で良いかも知れない。時系列も一番古い。

物語は序盤が他 2 冊の主人公のひとりであるアナ・クーリの故郷として名前だけ(シミュレーション上の仮想空間としても少し)出てた、なんか年がら年中戦争ばっかやってるらしいスカイズエッジ星で始まって、そのあとイエローストーン星に移動してタイトルにもなってるカズムシティが主な舞台となる。それと平行して古い時代の移民船の様子が描かれ、スカイズエッジ星の歴史だとか何で戦争やってるのかが明らかにされる、と。黎明期戦争とかインヒビターに関する描写も少しはあるけどほんのさわりだし「何かあったのね」ぐらいの理解で良いので『啓示空間』とか読んでなくても問題は無さげ。星間空間をあっち行ったりこっち行ったりというわけではなく都市を舞台にしたハードボイルド SF アクション+アイデンティティ・クライシスを扱ったちょっとしたトリックという具合で、これはこれで面白いんだけど他 2 冊みたいなのを期待してるとちょっと違う。図書館で読んだのだけどあえて手元に置く必要も無いかな。

同じ世界観を舞台にした「啓示空間シリーズ」と呼ばれる作品は邦訳だと他に 2 冊ほど短編集があるそうなのでそれらもいずれ読みたい。

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