冬言響 / 日記

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ロバート・J・ソウヤー「ネアンデルタール・パララックス」シリーズ

ネアンデルタール人が進化し文明を発展させた並行宇宙の地球と我々の地球がひょんなことから繋がってしまい、少しずつ両者の交流が始まって、という物語。『ホミニッド -原人-』『ヒューマン -人類-』『ハイブリッド -新種?』の全 3 冊。量子論からの他世界解釈、「こっち側」とは全く異質な「あっち側」のネアンデルタール社会、別々の世界に生まれたふたりの主人公のラブストーリー、と 3 つの柱を軸に陰謀とかアクションとか SF ガジェットとかが展開するよ。

巻末の解説なんかでも繰り返し言及されてるのだけど、作者がカナダ人で物語の(「こっち側」の)舞台もカナダが主でそこにアメリカが絡んでくる形で、ネアンデルタール世界とホモ・サピエンス世界の対比が実はそのままカナダとアメリカの隠喩でもあったりとか、キリスト教の倫理観やら何やらに関する通りいっぺんの教科書だけではいまいち理解しにくいなんやかんやだとか、まあいろいろ。

クライマックスで意外な人物がかなり重要な役割を果たして、その割には報われないなーって結末だったのだけど、まあ妥当っちゃあ妥当なのか。あそこでもう少し冷静に話が出来てれば少しだけ良い方向に変わったよな、っつってもまあしょうがないか、的な。

図書館読みだったのだけど買って手元に置いといても良いかしら。どうしよう。

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