冬言響 / 日記

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『DIASPORA』原書読了

読了というか見終ったというか書いてある文をとりあえす視神経に一通り通過させたというか。最初は全部きっちり訳しながら読むつもりでいたので「3 年ぐらいかければ読み終えるだろ」とか言ってたのだけど、結局判らない部分は適当に読み飛ばして最後まで流してみた。判る部分は理解するよう努めたけど。あと判らない単語とか気まぐれに辞書引いてみたり。英文を読むことに慣れる効果はあるだろ。

この話では登場人物のほとんどはコンピュータ上の仮想都市に住む知性プログラムなので、性別があるひとにはあるけど無いひとには無い。で、性別があるキャラクターは男性格なら He、女性格ならば She と普通に呼ばれているのだけど、性別を持たないキャラクターは Ve という謎の三人称で呼ばれている。活用形は Ve、Vis、Ver、らしい。たぶん。邦訳ではここら辺どうやっているのかと言うと、うまいこと(?) Ve にあたる語を使わないような文章に訳されていたりする(もちろん「彼」とも「彼女」とも呼ばれていない)。で、例えばイノシロウというキャラクターは男性口調、ブランカは女性口調で喋っているので、こっちは勝手に彼らが男性や女性だと錯覚していたのだけど、実はイノシロウもブランカも He でも She でもなく単に Ve と呼ばれる存在であって男性でも女性でも無いんだよな、と。たぶん。これが翻訳者である山岸真による翻訳マジックなのか、それとも原作者のグレッグ・イーガンが He とか She とかの判りやすい単語こそ使っていないものの最初からイノシロウは男性ぽく、ブランカは女性ぽく描いていて、翻訳者はそれを忠実に訳しただけなのか、その辺りの判断は俺にはまだ出来ない。とりあえず原書を読んだことで気づいた新しい発見なので一応メモ。

この Ve という語はイーガンの作品なら他に『DISTRESS(邦題:万物理論)』でも使われているらしい。こっちはプログラム人格というわけではなく、医療技術の発展によって性的特徴を外科的に除去している種類の人間がいるという背景設定(他に強化しているひとと微化しているひとがいる。転換ももちろん朝飯前)。主要登場人物にもこの "汎" 性のキャラクターが居て、原書ではたぶん Ve で呼ばれていると思うのだけど、さて、邦訳ではどうだったかな。『ディアスポラ』と違ってこの辺りは明記されていたんだが、いざどう呼ばれていたかというと思い出せない。あとで確認しよう。

Ve がイーガンによる造語なのかどうかは知らない。とりあえず辞書には載ってなかった。

そこら辺とは別にいろいろと学校で習った憶えの無い(本当に憶えてないだけな可能性もあるが)英語表現をいくつかゲト。というか got。まあなかなか良い経験になったと思う。

『DIASPORA』はまたいずれ読み返すとして、次に読む本を昨日 Amazon で注文。Douglas Adams 著『THE HITCHHIKER'S GUIDE TO THE GALAXY』。明日ぐらいには届くだろか。

[Amazon]THE HITCHHIKER'S GUIDE TO THE GALAXY