冬言響 / 日記

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グレッグ・イーガン『白熱光』

今月出たばっかの新刊。なお原書は 2008 年とか。『ディアスポラ』の難しい部分を煮詰めたらこうなりました、みたいな。個人的には「待ってました!」てなカンジなのだけど。

短篇集『プランク・ダイヴ』収録の「グローリー」にも登場した融合世界(アマルガム)文明と同じ宇宙の話。訳者あとがきによると同じ宇宙を舞台にした未訳の長編がいまのところ 3 つぐらいあるとかなんとか。

融合世界に属する主人公がひょんなことから未知領域への冒険に赴く奇数章と、我々人類とは全く異なるエイリアン文明が宇宙論をひとつひとつ構築していく様を描く偶数章の 2 つの独立した物語が並行して語られていって、これがやがて出会うんだろうな『竜の卵』とかみたく、とか思ってたら途中からそうでもなさそうなカンジがしてきて、ああだったらこれはこれのこれだというそういうオチか、とか思ってたらそれもまた違って、結果的にどうかというと実は良く判ってないす。あとがきでネタバレ含む解説がされていてそれでなんとなくこういうもんかなと判るぐらい。特に偶数章の半分ぐらいは『ディアスポラ』の数学パートなんかと同じく無理に理解しようとするぐらいなら適当に読み飛ばして物語の筋を追うほうに注力した方が良いと思。

図書館読みだったんだがこれはちゃんと買って繰り返し読まなあかんなー。文庫ではなく新☆ハヤカワ・SF・シリーズの新書サイズというかペーパーバックをそのまま日本語にしたような本でいささかお高価いのだけど。

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