冬言響 / 日記

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『バットマン/スポーン』買い

Amazon マーケットプレイスにて送料込みで 1,000 円。

先日購入した『スポーン/バットマン』と同時期に DC 側から出たもう 1 本のクロスオーバー。インターカンパニー・クロスオーバーではどうもこうやってタイトルをひっくり返して両社から 1 本ずつ出るのが通例? らしい。だったら『バットマン/パニッシャー』みたいに邦訳は 1 冊にまとめて出してくれれば良いのに、これはイメージ版と DC 版がそれぞれ別々に出てて、Amazon のレビューやなんか見てるとフランク・ミラー原作、トッド・マクファーレン作画の『スポーン/バットマン』に比べてこっちは物語の内容も絵のクオリティもいささか劣るのだけど同時収録されてる「バットマン:シークレットファイル」には資料的価値があるよ的な扱いだったので、そのうち気が向いたら買えば良いかと思ってた。んで、気が向いたので買いましたの巻。

『スポーン/バットマン』はバットマンがニューヨークに行ってスポーンと共闘したけど今度の舞台はゴッサム。スポーンがこっちに来る。ただし物語的には全く繋がっていないらしく、初期状態でどちらも互いのことを知らない。

ある悪魔がゴッサムに地獄への門を開くために地元のマフィアとか使っていろいろやってるのを、テロの気配を感じたバットマンが調査中。一方人間だったころの記憶に誘われてフラフラとゴッサムにやってきたスポーンさんは、通りすがりのバットマンをその見た目から悪魔と判断して殴りかかり、パワーを使ってトドメを刺そうとするが、何故かパワーが使えない。バットマンは正真正銘人間であり、ちゃんとそれを察していたスポーンの寄生服がパワーを抑制していた。誤解が解けた 2 人は協力して調べを進める。調査パートはバットマン主導で、悪魔が正体を現したら後はスポーン主導。んでやっつけて友好的に別れて終了、と。

事前に見たレビューなんかの先入観があるのかも知らんけど確かに『スポーン/バットマン』と比べて見劣りするかなあ、と。

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ブルース・ウェインの素顔のままチンピラのフリをして街のギャングから情報を引き出したあと、走りながらバットマンモードになってビルの谷間に飛び立つ。つか下に着るな。スーパーマンか。

んで「バットマン:シークレットファイル」パート。短編とか資料集とか。

ゴッサムの路地で強盗に襲われる家族連れを助けるバットマン。強盗はやっつけたが父親が撃たれていて、彼に応急処置をする間、かつての自分の境遇を回想する。幼いころに神獣の啓示を受けているとか、世界中を回って修行を積むとか、ゴッサムに戻ってクライムファイターとして動き始めた最初のころはまだ蝙蝠の扮装ではなくただの黒ずくめで、やがて犯罪者に恐怖を与えるためにかつて啓示を受けた蝙蝠のコスチュームをまとうようになるだとか、映画『バットマン・ビギンズ』で描かれてる通りの流れで、たぶん『バットマン:イヤーワン』もおおむねそんな具合なのだと思う。

次。バットケイブで何やら調査中のロビン(ティム)のために特製プリンを作って持ってくるアルフレッド。が、ちょっと目を離した隙に巨大な鼠(?)にかっさらわれる。追っかける 2 人。アルフレッドが何か変なスイッチ入っちゃったのか知らないけど散弾銃持ち出して「こうしていると、イギリスで過ごした夏を思い出しますよ」「この興奮、この緊張。久しく忘れておりましたが、これぞ狩猟の醍醐味でございますね」とか言いながらケイブの中で乱射する。ロビンの方がちょっと呆れ気味。もしくは引き気味。追い詰めた 2 人が見た鼠の正体は…! ややギャグ気味な短編。

最後。見開き 2 ページのショートショート。ウェイン社で過去数年間にすごい額の備品が紛失しているんだぞと報告するルシアス・フォックスと、意に介さない様子でそれを聞き流しながらゴルフの素振りをしているブルース・ウェイン。

ル「機械設備と車両だけで 1 億ドル近い損失だ。しかも、全然盗難ルートがつかめない。まるで地上から蒸発したみたいだよ」

ル[自動車部に贈るはずだった、マクラーレン製のレース用試作エンジンも消えたし…]同じコマでバットモービルを組み立てるブルースとかアルフレッドとかの絵。

ル[メトロポリス支社に送ったスーパーコンピュータも行方不明のままだ]同じコマでコンピュータのセッティングをしているロビンの絵。

ル[C-130 軍用輸送機の予備の機体も、離陸したまま音信不通]それを操縦しているバットマン。

ル[水素発電機の試作品と、高圧送電線 17 キロ分も]バットケイブで元気に稼働中。

ル[200 万ドル総統の超小型暗視装置も]夜を背景にその暗視装置を使って何かを見張っているバットマンとロビン。

ル[メトレール社から 150 万ドルで借りた 10 トン用のクレーン列車も]バットマンとロビンが(ry。

ル「君の金なんだぞ? 何か質問はないのかい?」

ブ「なら、ひとつ教えてくれよ」にやりと笑いながら、素振りを 1 つ。「フォロースルーの前に右に体重をかけすぎだと思うかい?」

ル「やれやれ…」

END。

この本に載ってるうちでこの 2 ページが一番面白かったかも知らん。

あとは資料パートで、まず各キャラクターの紹介。バットマン、ナイトウィング(一度目のバットマン代理は経験済み)、ロビン(ティム)、ジム・ゴードン、ゴッサム市警の人々、アルフレッド、オラクル(元バットガール)とブラックキャナリー、ハントレス(二代目バットガールに関する言及は無し)、スポイラー(四代目ロビンに関する言及は無し)、キャットウーマン、アズラエル(二代目バットマンをやって狂気には知ってクビにされたあと)、アズラエルをサポートする人々。んでブルース・ウェインやアルフレッド・ペニーワースへのインタビュー記事と、ゴッサムシティの歴史。そんな具合。

『バットマン:ダークナイト・リターンズ』以降の現行型バットマンが、ちょっと情報旧い部分もあるけどおおむねまとまってるのかなあ、と、そんなカンジの一冊でしたよ、と。

[Amazon]バットマン/スポーン