冬言響 / 日記

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『トランセンデンス』観り(劇場/字幕)

昨夜先行上映で。

人間の意識を電子化してコンピュータにアップロードするという SF 小説ではよくあるけど映画では映像化は不可能とは言わんが面倒くさそうなことをどう表現するか、って点についてはまあよろしかったのではないかと。

ただストーリー面でちともにょもにょするかなあと。以下ネタバレ含むかもよ。

最終的には自己をずんずん拡張しながら身体の不調を治したりするついでに肉体強化してナノマシン仕込んでネットワークで繋がった仲間を増やしたりしつつ人類の超越(トランセンデンス)を目指す科学者(の意識体)と、それを阻止しようとする人類側、みたいな構図になるのだけど、その人類側に正真正銘徹頭徹尾首尾一貫して頭から爪先まで混じりっけなしの完全本気で感情移入出来ない。

科学者何か悪いことした? 或いはしようとしてるっていう明確な証拠ある? 劇中でも「彼は一人も殺していない」って何度か言ってるし。何か新しいものが出てきたときに古いものが拒否反応を示すってのが人類側の行動根拠ではあるんだろうけど、何か新しいものが出てきて何か不気味だから、過度な科学は敵だとか言って科学者を何人も殺したテロリストと手を組むし、相手の仲間を捕まえて解析して殺しても平気だし、科学者の意識体のシステムをウィルス使って全世界のネットワーク巻き添えでシャットダウンして停電起こして金融システムとかに大混乱起こしても知ったこっちゃねえぜ、ってのはなあ、と。

俺がある程度 SF 脳気味だからなのかも知らんけど劇中で描かれてる限り科学者の意識体の行動のが概ね正しくてメリットがあるようにしか思えなくて、ナノマシンで繋がったハイブリッドは確かにやや不気味かも知らんし、奥さんの生体状態モニターしてるのはまあせめて黙っとくべきだよなとは思うけど、もっとこうそっち側の悪い部分ってかデメリットってか脅威を描いて、科学者の意識体と人類とどっちが正しいのか考えさせられる要素があればも少しバランス良かったんじゃないかニャァと思いました。

同じ話を小説で読んだらまた違ったかも知れない。ノベライズ出てるぽいのでいずれ読んでみよう。

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