冬言響 / 日記

アメコミとか映画とか音楽とか猫とか単車とか自転車とか革とか銀とかジーンズとかブーツとか今日喰ったものとか。

RSS2.0

冲方丁『光圀伝』

図書館でフツーに借りられる状態なのを発見してしまったので借りてきた。まだもうしばらくは予約で埋まってるだろうと思ってたんだが。

「黄門様」で有名な水戸光圀の生涯を描いた歴史小説。とはいえ殆ど後世の創作である黄門様のイメージは殆ど無い豪放で大柄な偉丈夫であったようで。

著者の前作の『天地明察』にも登場していてまた逆にそっちの主人公である安井算哲がこっちにも登場してる。同じシーン描いてるから当然なのだけど。基本どっちも全編通じて主人公視点で描かれていて他の人物の心理描写みたいのは最低限なので併せて読むとこの時光國はこんなこと考えてたんだなーてのが読み取れておもろい。『光圀伝』を『天地明察』のスピンオフであるみたいな紹介してるのを見掛けることもあるのだけどどっちかっつーと同列の独立した物語が部分的にクロスオーバーしてるみたいな構成であるように思。

保科正之が改暦事業の責任者を選定するにあたって安井算哲の吟味を光國に依頼したことからそれぞれがそれぞれの物語に登場する訳なのだけど、『光圀伝』で描かれているその具体的なやり取りのシーンの台詞が『天地明察』のコミック版に流用されてたりする辺りもまたおもろ。

[JPEG画像/165.4KB]

[JPEG画像/172.9KB] [JPEG画像/192.3KB]

↑『天地明察』原作にはこのやりとりは描かれていない。

著者の次作は『はなとゆめ』という清少納言の話だそうな。どうせなら『光圀伝』に登場してた誰か(山鹿素行辺りとか)を主人公にしてそんな具合でしりとりみたいにどんどん繋げていって冲方時代小説ユニバースとか構築すれば良いのに。

良いのに、て。

[Amazon]Amazon.co.jp: 光圀伝: 冲方 丁: 本 [Amazon]Amazon.co.jp: 天地明察(5) (アフタヌーンKC): 槇 えびし, 冲方 丁: 本

[Amazon]Amazon.co.jp: 光圀伝 電子特別版 (上) (角川書店単行本) eBook: 冲方 丁: Kindleストア [Amazon]Amazon.co.jp: 光圀伝 電子特別版 (中) (角川書店単行本) eBook: 冲方 丁: Kindleストア [Amazon]Amazon.co.jp: 光圀伝 電子特別版 (下) (角川書店単行本) eBook: 冲方 丁: Kindleストア

↑Kindle版。上中下構成。