冬言響 / 日記

アメコミとか映画とか音楽とか猫とか単車とか自転車とか革とか銀とかジーンズとかブーツとか今日喰ったものとか。

RSS2.0

『JLA:逆転世界』『JLA:バベルの塔』

『JLA:逆転世界』。

ウルトラマン、オウルマン、スーパーウーマン…。世界最強のスーパーヴィランが支配する悪の帝国に現れた、異次元の世界からの侵略者。それは、彼らの歪んだ鏡像 "ジャスティス・リーグ" だった!

次元を超えた戦いの結末は、いかに!?

善悪逆転世界である「アース 3」版のジャスティスリーグオブアメリカ(JLA)として有名なクライムシンジケートオブアメリカ(CSA)が登場する話。途中で「あっち側」のルーサーであるアレキサンダー・ルーサーが「こっち側」のことを「アース 2」とか言い出して少々混乱したのだが、巻末の解説を見るとこの作品自体がクライシスオンインフィニットアーシズ以降インフィニットクライシス以前のマルチバースが存在していない時期の話で、この CSA もクライシス以前のそれを元にした新設定版 CSA であり、彼らの世界もアース 3 ではなくあくまで旧アース 1 やアース 2 が融合したポストクライシスアースの鏡像世界である反物質宇宙であると。ルーサーはいくらか悩んだ末に「こっち側」を「アース 2」と名付けたのだけど彼的には自分の故郷である「あっち側」が「アース 1」なんだろな、と。

「あっち側」の人間は「こっち側」の人間と心臓の位置が逆らしい。あと地球の公転軌道も逆周りなので季節が逆になるらしい。別に公転軌道の向きと季節は関係無い気もするけど。

CSA メンバーの詳しい設定は語られていなくて(グリーンランタンの鏡像であるパワーリングは単に反物質宇宙版のグリーンランタン・コァがあって、みたいな単純なものでもなさそう)、いくらかでも語られているのはウルトラマンとオウルマン。ウルトラマンはまあ別に良いとして(ぇ、オウルマンについて少々。

本名:トーマス・ウェイン・ジュニア。家族は父親のトーマス・ウェインと故人である母親のマーサ・ウェインと兄或いは弟のブルース・ウェイン。彼が幼いころに母親とブルースが強盗に殺され、生き残った父親を逆恨みして悪の道に走ったと。バットマンにとってオウルマンは自分の世界では存在しなかった兄或いは弟。まあトーマス・ジュニアが兄かな。次男にジュニアとか名付けないだろ多分。

この世界のトーマス・ウェインはゴッサム市警本部長で、CSA やゴードン局長?やらと対立してゴッサムをクリーンにしようと日々頑張っている。でも結局は善悪が反転した反物質宇宙の価値観の人間なので、ゴッサムの主導権を得た彼にバットマンが問うた「どうする気だ?」に対して「街の周囲に壁を張り巡らし、自給自足型の安全な街を作る。反対する奴は射殺すればいい。もちろんオウルマンは裁判にかけて死刑にするさ」とかドヤ顔で答えていて「こっち側」のバットマンは「…そうか」と答える以外に無い微笑ましい一面もあったりとか。

トーマス・ウェインの設定がクライシスオンインフィニットアーシズ以前やインフィニットクライシス以降のアース 3 なんかと同じなのかは知らんが(オウルマン=トーマス・ウェイン・ジュニアは割と一貫した設定ぽいけど)、『フラッシュポイント』のバイオレンスバットマンなトーマス・ウェインといい、どうもトーマスパパは生きてたら生きてたでハードモードなおっさんであることが多いらしい。

2013 年の現在アース 3 はフラッシュポイントで消失したままなのだけど、旧アース 2 の名前とかを引き継いだ(名前ぐらいしか引き継いでいないとも言う)アース 2 は存在してるので同じようなノリでアース 3 も展開してくれると良いなあ。

[Amazon]Amazon.co.jp: JLA:逆転世界 (ShoPro Books): グラント・モリソン, フランク・クワイトリー, 高木亮: 本

『JLA:バベルの塔』。

巨大な魔の手が JLA を殲滅すべく動き出した。世界最強のはずのヒーローたちは、それぞれの能力に応じて作られた特殊な罠へと追い詰められ、虫ケラのごとく蹂躙されていく。これは裏切りの罠なのか、それとも…?

今、JLAに最大の試練が訪れる!!

バットマンが最強であることが証明される話(違。「バットマンがいざというときのために JLA メンバーの弱点を研究して無力化手段を用意していたらその情報が流出してエラいことになったぜ」という概要だけは前々から各所で解説されてて割と有名だったように思う。「最終的にバットマンは開き直って謝らない」とかとも言われてたけどあんまそういう結末でも無かったかしら。

バットマンが用意した対 JLA メンバー作戦は概ね最終的には殺害を目的としているのだけど(それもどうかと思うが)、グリーンランタン(カイル)に対してだけは物理的には痛かったりしないし後から復帰の可能性も残してるし妙に優しくて謎。「眠ってる間にこっそり近づいて指輪をはめさせる」とか出来るなら面倒くさいことせんでも首チョンパとかで確実に無力化出来るし、殺すまでしなくても失明させるだけなら刃物で突っつくとかでも良いだろと。若手メンバーだから? だったらフラッシュ(ウォーリー)にも同じような思いやりがあっても良かったのでは。そしてバットマンが用意した手段に従って実際に実行するひとも律儀にその通りにやってるのもまた謎。何で皆カイルにそんな優しいの。

他いくつかの短編も収録。冒頭の「脳内世界を救え!」は、これはレイ・パーマー博士が絡まんでもごくごく普通のレーザー治療してれば済んでたんじゃないかしら。

[Amazon]Amazon.co.jp: JLA:バベルの塔 (ShoPro Books): マーク・ウェイド, ハワード・ポーター, 高木亮: 本