アメコミとか映画とか音楽とか猫とか単車とか自転車とか革とか銀とかジーンズとかブーツとか今日喰ったものとか。
Amazon マーケットプレイスにて『スポーン/バットマン 日本語版』購入。2,400 円。モノが届いてから気づいたのだけど、これ定価は 1,100 円だったりする様子で。倍以上のプレミア価格で買ってしまった。うへえ。
- Writer
- FRANK MILLER
- artist
- TODDO McFARLANE
- letter
- TOM ORZECHOWSKI
- colorist
- STEVE OLIFF
- colors
- OLYOPTICS
- translation
- EUGENE ISHIKAWA
- SPAWN CREATED BY
- TODDO McFARLANE
- BATMAN CREATED BY
- BOB KANE
アメコミは日本の漫画と違って分業制が主なので所謂「作者名」が上記のような具合になったりする。今後はアメコミ買ったらここら辺もちゃんと書くようにしようかな、と。名前とか憶えていきたいし。
「Writer」は物語を考えるひとで、『シン・シティ』とか『300』とかで有名なフランク・ミラー。『バットマン:ダークナイト・リターンズ』の原作もやってて、キャラクターがバットマンであったことと原作がフランク・ミラーであったことが、トッド・マクファーレンがこのクロスオーバー企画にゴーサインを出した要因だろう、と本の冒頭にも書いてある。ついでに言うと『バットマン:ダークナイト・リターンズ』はバットマンが老いて引退してさらに 10 年経ったあとの、つまり相当未来の世界を描いていて、常に現在進行形で進んでいる正史世界とは分岐している(アース 31 とか言うらしい)のだけど、この『スポーン/バットマン』はその『バットマン:ダークナイト・リターンズ』の前日譚という位置づけになっている、らしい。そいえば『バットマン:ダークナイト』もちゃんと読んだけどまだ記事にしてないな。まあそのうち。
「artist」は writer の書いた原作というか脚本に沿って絵を描くひと。作品によっては(出版社によっては?)「penciler」と「inker」に分かれてたりもするのだけどこの作品ではトッド・マクファーレンがモノクロの主線描くところまでやった、ってこと? だと思う。トッド・マクファーレンは、キャラクターの権利が出版社に属するアメコミの既存のシステムに反対して、日本みたいに原作者に権利が帰属するという形態のイメージ・コミック社を作って『スポーン』でヒット飛ばしていっきに業界 3 位に引っ張り上げちゃったひと。キャラクターのフィギュアを作るためにまた会社作っちゃって、『トライガン』のフィギュアとかも出してたり。あと守銭奴。らしい。
「letter」は台詞とかの文字を書くひと、らしい。日本では普通写植を使うけど向こうでは職人さんによる手書きだとかなんとか。DTP でええんちゃうのとか思うのだけど。
「colorist」と「colors」というのは良く判らんが、色指定をするひとと実際に塗るひと、ってことか? それぐらい 1 人でやんなさいよという気もする。
「translation」。翻訳。たぶんこのひとなんだよなきっと。「祐人」で「ゆうと」って読むのだけど向こうでは「EUGENE」っていうペンネーム? で通してるみたいな?
あとはスポーンとバットマンのクリエイター。Wikipedia によるとバットマンは最初ボブ・ケーンとビル・フィンガーという 2 人によって作られたけど現在は契約関連とかの諸事情によりケーンだけが公式な作者となっている、と。なってるってなんだよ。良く判らん。
†
物語の始まりはまずゴッサム・シティ。今日も今日とてストリートギャングを叩きのめすバッツさん。ギャングは様々なハイテク兵器で武装していた。どこぞの国の独裁者が倒れ、売人がゴッサムに武器を横流ししていたのである。
兵器の中には生きた人間を部品として組み込んだロボットもあった。戦闘の末にそれを破壊し、組み込まれた人間の頭部(だけ)を回収。バットケイブに持ち帰る。
歯形から調べた結果、組み込まれていたのはニューヨーク在住の浮浪者だった。なぜニューヨークの浮浪者がソ連製のサイボーグの部品になっていたのか。調査のため、ニューヨークへ向かうバットマン。
やたらとお茶を勧めるアルフレッド。
ニューヨーク。今日も今日とて路上で寝ていた浮浪者に面白半分に火を付けようとするチンピラを逆に地獄送りにするスポーンさん。そこへ通りかかったのは例え悪人が相手であっても命を奪うことはしない闇の騎士、バッツさん。スポーンをスーパーヴィランと認識し、ソッコで戦闘開始。
ひたすら殴り合ったりガス使ったりした結果両者痛み分け。スポーンのことはあんま良く知らないのだけど、所謂魔力的なスーパーパワーを持っているので、正面からガチで殴り合えば普通はバットマンに勝ち目は無いと思うのだが(もちろんその場合はその場合でどうにかしちゃうのがバットマンなのだけど)、「卑怯だ」という理由で彼は魔力を攻撃に使わない。あと他の部分の描写とか見てると、魔力の総量には限りがあって使わずに済む場面ではそうしたい、ってことなのだろうか。おいおい調べてみよう。
路地裏でバットマンが外れた肩をはめたりずれた背骨(大丈夫か)を戻したりしている頃、スポーンもまたバットマンがゴッサムで闘ったサイボーグと遭遇する。そこはマーガレット・ラブという女性博士が代表を務める世界救済界という組織の施設で、ホームレスに社会適合訓練を実施していた??その裏で彼らを部品にサイボーグ兵器を作っていた様子。さらに彼女の映像を見ていたスポーンの脳裏に浮かび上がる、かつて工作員アル・シモンズであったころの記憶。シモンズはかつてその女と戦場で出会っていた??
マンハッタンの空に浮かぶバットシグナル。助けを求める声に応え、姿を現すバットマン。呼んだのは世界救済会代表マーガレット・ラブ。救済会の船で行われる、大統領も顔を出す船上パーティに、「赤いケープを着て鎖を巻いた爆破事件犯人」が姿を現しそうなので守ってくれ、と。バットマンはアルフレッドに連絡を取り、装備を整えると、再びスポーンの前に姿を現す。
2 度目の戦闘。やっぱり正面からぼっこんぼっこん殴り合う。両者グロッキー状態になったところへ、あのサイボーグが現れる。スポーンとバットマンの 2 人ともが計画の邪魔になると判断したマーガレット・ラブが送り込んできた下僕。
3 体のサイボーグがまずバットマンをボコボコにする。どうにか立ち上がったスポーンが残った力をかき集めて魔力で攻撃し、サイボーグを撃破。が、致命傷を受けたバットマンはショック状態に陥り、帰らぬ人一歩手前。
それを助けるためスポーンは力を使う。その過程で脳内に入り込んだ? んだかなんだかで会話。
「何をする?」
「あんたの命を救いにきた」
「私の頭から出ていけ」
「この音が聞こえるか? あんたの鼓動だ。随分止まっていたんだぞ」
「すぐに出て行け」
「それは構わんが、また始めからやり直すことになるぞ」
「やり直すチャンスがあると思ってるのか。貴様は縛り首だ」
「くそっ、いい加減にしろよ。こっちが骨を折ってやってるのに、少しは感謝したらどうだ!」
「骨ならさっき折ってやったぞ」
「抜かしたな! こうなったら意地でもやってやる!」
「頭から出て行け」
「嫌だ。あんたと話がしたい。教えてくれ。俺の知らないことを」
「貴様は…人殺しだ。何百人殺した? 人間のクズめが…」
「俺は兵士だ。戦って死んだ。コウモリに取り憑かれた金持ちのボンボンとは違う。戦場で銃弾をかいくぐり…
…!? 銃弾があんたの両親を…」
「出て行け!」
「まだだ、これを見ろ! こいつの顔を見ろ、バットマン! この女の犠牲になって死んでいった兵士たちの顔を見てみろ! これがマーガレット・ラブの正体だ! あいつは笑ってたんだ! 笑っていたんだぞ!」
「これでわかったろう?」
「ああ」
「あいつはあんたを騙してたんだ。だがこれであの女の本性がわかっただろう。手を貸してくれ」
「ああ
だが、その前に私の頭から出て行け!」
対立を辞め、共通の敵のために手を組むスポーンとバットマン。
2 人の魔人がニューヨークの夜空に舞う。
場面は変わって世界救済会の船上パーティ。何やら洗脳テクニック? 的なものを使いつつ司法長官だとか上院議員だとか相手に演説をするマーガレット・ラブ。もう人類はいろいろ駄目なので戦火を世界中に広げて一掃したあとで我々が世界を解放するのだ、救済するのだ、とかなんとか。その船の倉庫には大量の兵器が山積みになっている。
そこへ闇に紛れて侵入するスポーンとバットマン。
「命令を下すのは私だ。あいにくだが、経験は私の方が長い。それに頭も切れる。貴様の馬鹿さ加減ときたら、クラークも顔負けだからな」
「クラーク?」
「貴様には関係ない」
ひどす。
せまりくるサイボーグやらなんやらをばったばったと薙ぎ倒す 2 人。マーガレット・ラブに迫り、そのまま殺そうとするスポーン。制止するバットマン。が、それも間に合わず、崩れた資材に貫かれて? 絶命するマーガレット・ラブ。その死の直前に核ミサイルのスイッチを押す。発射されるミサイル。
スポーンのテレポートで 2 人はミサイルの上に移動。このモデルは知っている! へたに触ると爆発するぞ! とビビる元工作員スポーンを横目に、ピアニストのようなしなやかな動きで起爆装置を解除するバットマン。無力となったミサイルはイーストリーバに沈んでいきましたとさ。
人命を軽視するスポーンをバットマンは認めることが出来ない。今はまだ闘って倒す捕らえる手段はないが、いつかまた来るぞ、と。対しスポーンは、自分たちは街を救った、組めば世界をも救える、なのに諍いを続ける気なのか、黙ってないで答えろ、と。
その言葉に、「これが答えだ」とバッタランを投げつけるバットマン。それがスポーンの顔面を叩き割って終了。
†
まあこんな具合。要約すると、普段であれば(クロスオーバー企画とかでなければ)スポーンが 1 人で解決してたであろう事件にバットマンが横から顔を出して肝臓に蹴りを入れたり瀕死になったりした挙げ句「お前と友達になんかなってやんねえ」とか言って顔面叩き割って帰ってった、とそんな話か。
このプロットだと他にもう何人か参加キャラクター増やすことも出来るよなあ。むしろ誰か来いよって気もするが。兵器がニューヨークとゴッサム以外の場所には流れてないってこともないだろう。まあそれで来ちゃったのがパニッシャーとかだったりするとバッツの気苦労が増すだけかも知らんが。あ、パニの活動拠点もニューヨークか。
本にはこのあと「スポーン・ザ・ムービー」というスポーンの誕生譚が収録されてるのだけど、これは映画のコミカライズなんかね。トッド・マクファーレンも描いてないみたいだし。
さて次は何を買ってみようかな。